MENU

アイリッシュ・セッターは優雅で野生的な犬

この記事の目次

アイリッシュ・セッターは、かなりの確率で一目惚れされて選ばれるほど、
とても美しく躍動感にあふれた犬です。

しかし、きちんと下調べをしてから選ばないと、
「こんなはずじゃなかった…!」とあわてることになるかもしれません。

猟犬としての気質を強く残した犬

すらりとした体に光沢のある赤毛をなびかせて走る、とても姿の美しい犬ですが、
アイリッシュ・セッターは立派な猟犬です。

かつて猟犬として使われていた犬でも、家庭犬としての交配を重ねることで
その能力がかなり薄まってしまった犬種もありますが、
アイリッシュ・セッターには昔ながらの猟犬としての気質を
強く残した個体
がたくさん見られます。

そのため、何かに夢中になるとひたすらそれを追いかけようとする性質や、
突如として用心深くなる性格を垣間見ることがあるでしょう。

単純に姿の美しい大型犬を優雅に連れまわしてみたい、
などという感覚だけで選んでしまうと、
自分が引きずりまわされることになるかもしれません。

一度スイッチが入ったアイリッシュ・セッターを落ち着かせるのは
容易なことではない
のです。

当たり外れという感覚は間違っている

アイリッシュ・セッターが猟犬としての気質を強く残しているとはいえ、
もちろん中にはとても穏やかで遊び好きの、
家庭犬として申し分のない性格をした個体
もいます。

その落差が大きいせいか、アイリッシュ・セッターは
ちゃんと選ばないと性格に当たり外れがある、
などという人がいますが、果たしてそれは正しいのでしょうか?

本来目的とされた猟犬にふさわしい気質が外れだというのなら、
そもそもアイリッシュ・セッターを選ぶべきではないのかもしれません。


美しい外見だけではなく、時として情熱的になり過ぎるその性格や、
とぎすまされた猟犬としての本能まで含めて「良い」と思えない飼い主に、
アイリッシュ・セッター本来の能力を引き出してやることはできないでしょう。

ショータイプと猟系

とはいえ、家庭の犬として迎えるのであれば、
できる限り落ち着いた性格がいいと考える気持ち
は、わからないでもありません。

現在、日本におけるアイリッシュ・セッターの多くは
ジャパンケネルクラブ(JKC)の所属ですが、
実は少なからず全日本狩猟倶楽部の血統書に所属するアイリッシュ・セッターもいます。

こちらは実猟に向いている血筋を強く残したアイリッシュ・セッターが多いため、
骨格のしっかりとした、躍動する体を持つ犬が多いのが特徴です。

美貌という点ではJKCの犬の方がおそらく一般受けすると思いますので、
どちらの犬が良いと思うかは、よくよく検討してから決めた方がよいでしょう。