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アイドル犬のゴールデンレトリーバーと悪役犬のドーベルマン

この記事の目次

公認、非公認を含めると、現在世界にはおよそ700~800の犬種があります。
そしてそのうち国際畜犬連盟(FCI)が公認している犬種が344、さらにはその中でジャパンケネルクラブ(JKC)に登録されているのが196犬種だとか。
犬種によって見た目も性格も様々であり、一般的な話しとして、誰からも好かれやすい犬種がいる一方、基本的に怖がられてしまう犬種もいます。

アイドル犬と悪役犬

先日、知り合いの家を訪れたときのことです。
県外に嫁いだその家の娘さんが偶然帰省していたのですが、飼っているゴールデンレトリーバーとドーベルマンを連れてきていました。
広めのお庭で犬2匹を楽しそうに遊ばせているではないですか!
そこで、私も犬達を近くで見せてもらうことにしました。

とりあえずお庭に出てみると、ゴールデンレトリーバーはすぐに気がつき、「一緒に遊ぶ?」とでも言いたげな、キラキラと期待に満ちた目でこちらを見ています。
一方、ドーベルマンのほうは「誰だ?」という警戒心の表れた顔をしていました。

娘さんに、ドーベルマンに近づいても大丈夫かたずねると、「大丈夫ですよ」との返事が。
もう、この時点で私の目には、正直に言えばドーベルマンしか映っていませんでした。
だって、ドーベルマンですよ、ドーベルマン。
大型犬が大好きな人間なら、見過ごせるはずもないじゃないですか。

こういう言い方をしたらなんですが、ゴールデンレトリーバーと触れ合う機会ははっきり言って少なくありません。
知り合いにもゴールデンレトリーバーを飼っている人は何人もいますし。
でも、ドーベルマンともなると、そうもいきません。
というわけで、私はまずドーベルマンへと近づいていきました。

どちらの犬にとっても予想外の展開だったらしい

ドーベルマンといえば警戒心が強く、なかなか見知らぬ人にはなじみにくい犬種です。
しかし、そのドーベルマンは違いました。
びっくりするぐらい人懐っこくて、私が首筋を触ると、とても喜んでくれたんです。

こうなると、もうこちらも嬉しくて仕方がありません。
可愛い、可愛いとナデナデしているうちに、喜びテンションMAXになったドーベルマンが、いきなりジョーっとお漏らしを……。
大型犬の嬉ションは、ある意味大惨事になるんですよね。
私の足はもろに直撃をくらいました。
しかも、お漏らしをしながらも嬉しくて腰を下げてお尻をフリフリするせいで、さらにオシッコが水撒き状態に。

飼い主である娘さんいわく、通常犬に近寄ってくる人は、みんなゴールデンレトリーバーを可愛がり、滅多にドーベルマンには触れないのだとか。
ドーベルマンも最初の頃は懐っこく近寄ろうとしたものの、あまりにも怖がられてしまううちにすっかりやさぐれてしまい、「どうせゴールデンレトリーバーしか可愛がらないんでしょう?」とばかりにいじけていたのだそうです。
それなのに、ゴールデンをすっ飛ばして自分のところに来たものだから、お漏らしするほど嬉しかったんでしょうね、と。

ちなみに、ふと見ればゴールデンレトリーバーは遠い目をして虚空を見つめていました。
いつも真っ先に可愛いといわれる、いわばこの犬はアイドル犬。
それなのに、悪役犬のほうばかりが可愛がられ、自分がスルーされたという現実が受け止めきれなかったのでしょうか。

ちなみに、ドーベルマンは基本的には警戒心が強く、誰にでも懐く犬ではない、というのは本当です。
この子が特別だっただけなので、間違っても他所のお家のドーベルマンには手をださないでくださいね。