動物病院に謎めくマッサージの神が降臨!
先日、いつものようにミックス犬を動物病院に連れていったときのことです。診察を終え、待合室で会計の順番を待っていると、見知らぬおばあさんが我が家のワンコに近寄ってきました。
初めて遭遇したおばあさんがミックス犬をいきなりマッサージ!
週に一度、多いときは週に二度は動物病院に通っていることもあり、だいぶ顔なじみの飼い主さんが増えました。
しかし、そのおばあさんとは完全に初遭遇。おばあさんはミックス犬を見てニコニコしながら、「この子は年をとっているようだけれど、何才だね?」とたずねてきたのです。
「15歳です」と答えると、「なら、あたしよりちょっと年下ぐらいだねぇ。あたしは96歳だからねぇ」とのこと。
そのおばあさんは腰は曲がっているし、顔はシワ深いしで、確かに見た目としては96歳という感じがしました。しかし、なんというかとても口調がしっかりとしていて、衰えているという感じはまったく受けなかったのです。
そして、「この子はどこが悪いんだね?」と聞かれました。「腎不全で、腎臓の機能が良くありません」と答えたところ、おばあさんはふいにかがみこみ、ミックス犬の腰を片手でむんずとつかむと、いきなりマッサージを始めたではないですか!
おばあさんの手技がスゴかった!
我が家でもミックス犬のマッサージは日常的に行っています。少しでも腎臓に血流が戻るようにと、腎臓のある位置を中心に背骨にそってマッサージしているのですが、加減が強すぎると、「ギャウ!」と鳴いて怒ることもあるんですね。
そのため、おばあさんがムンズ!とミックス犬の腎臓のあたりをつかんだ瞬間は、怒ったミックス犬が噛み付くのではないかと一瞬ヒヤリとしたのです。
ところが・・・。
ミックス犬はおばあさんに腰をつかまれてモミモミされた瞬間から、口と目を半開きにして、見るからに気持ち良さそうな顔でもだえだしたんですね。
マンガのような吹き出しをつけるとしたら、まさしく「そうそう、そこそこ、気持ちいい~!サイコ~!」というセリフがぴったりの顔です。正直に言えば、その顔は可愛いというより、ちょっとキモかったでしょうか。
体をグニャグニャくねらせていましたが、確実に痛いからではないことが伝わってきます。ものすごく気持ち良さそうにマッサージを受けていて、おばあさんのテクニックの虜になっているのがまるわかりなんですね。
「うわぁ、マッサージ上手ですねぇ」と思わず感嘆の声をあげると、「これまで数え切れないほどネコを飼ってきたけど、みんなこのマッサージでいちころだったよ」とのこと。
なるほど、ネコは腎不全にかかる子が多いので、おそらくは腎不全の動物が凝るツボを知り尽くしているのでしょう。本当に驚くほどミックス犬はグニャグニャになり、上機嫌で帰宅することができたのです。
家人がチャレンジするも、まったくの無反応…
その夜、帰宅した家人にその話しをすると、なんだか妙なライバル心が芽生えたようです。というのも、家人は私よりワンコ達のマッサージが上手いと自負しているところがあるからなんですね。
そんな家人がいくらマッサージをしても、これまでミックス犬がグニャグニャになることはありませんでした。
そしてその日から、自分もおばあさんのようにミックス犬をグニャグニャにしてみせると、あーでもない、こーでもない、とがんばってマッサージを追求しはじめたのです。が、一向に反応がありません。
マッサージを受けたあと、「ああ、どうもね。まあ、それなりに気持ち良かったよ」という顔で去っていくミックス犬を見るたびに、「くそーっ!何が違うんだ!」と本気でくやしがっています。
その後――。
あのおばあさんとは、あの日会ったきり、まだ一度も遭遇していません。もしかしたら、あのおばあさんは実はマッサージの神様で、腎不全で苦しんでいるミックス犬のために光臨したのではないだろうか?などと、本気で考えたくなるほど、見事なマッサージの手技を見せてくれました。
ああいう年季の入った技はどれだけAIが進化しても、再現するのは難しいのではないか、などとつい考えてしまいます。
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