MENU

ショーブリーダーの犬

この記事の目次

ブリーダーのもとで生まれた子犬、と聞くと、
ペットショップで購入するより質の良い犬が手に入りそうな気がしませんか?

なんとなく安心というか、血筋がしっかりしている感じがするというか……。

しかし、ペットショップで展示販売されている子犬も、
もとをたどればブリーダーが繁殖した子犬であることがほとんどです。


たとえパピーミル(子犬工場)で生まれた子犬であっても、
書類だけ見ればブリーダーが繁殖した子犬、ということになっています。


ブリーダーの定義というのは、なんともあいまいなものですよね。

ショーブリーダーの犬

では、ショーブリーダーが繁殖した子犬だったらどうでしょうか。

ドッグショーにも出場している犬のオーナーが繁殖しているのだから、
間違いなく質の高い子犬が手に入るに違いない!と思ったりしませんか?

あながち間違いではありませんが、もちろんその質はピンキリです。

ドッグショーにかなり力を入れているブリーダーの場合は、
それなりにこだわりのあるブリーディングをしている可能性が高いでしょう。

しかし、それでも生まれてくる子犬のすべてが超優良になるわけではありません。

とはいえ、パピーミルなどに比べると子犬のケアや管理が手厚いことは間違いなく、
そういう意味ではやはり子犬の生まれもととしては、良い場所と言えるでしょう。

もちろん、その手厚いケアや管理と、
それから親犬の血統に準じてパピーミルで大量生産された子犬に比べて
価格が高くなることは確実ですが……。

意外なほど可愛くないかもしれない

ところで、ドッグショーに本気で取り組んでいる犬舎で生まれた犬が、
必ずしも可愛いとは限りません。

ペットショップで展示販売されている、特価5万円の子犬のほうが
よほどヌイグルミのように可愛かったりすることなど、珍しくないのです。

なぜなら、ドッグショーにおいて高評価を獲得する犬種の特性が、
一般的に可愛いと喜ばれるものとは違う場合が多々ある
からです。

たとえば人気のトイプードル。
茶系のティディベアカットが可愛いですよね。

しかし、ドッグショーにおけるトイプードルで
ティディベアカットをしている犬なんていません。

みんな、お金持ちのマダムが連れていそうな
ショークリップ(ドッグショーに出陳するために指定されたカット)をしています。

そして、今でこそレッドやブラウンも増えてはきましたが、
やはりドッグショーにおいて優勢なのはホワイトやブラック。

それはなぜかと言えば、トイプードルとは本来ホワイトやブラックが主流であり、
欧米にしても日本にしても、そのような毛色の犬達が
ドッグショーの基準の中で磨かれてきたからです。

レッドやブラウンが日本で人気なのは、
可愛いもの好きの日本人の好みに
ティディベアカットがドンピシャではまってしまったから。

そのため、レッドやアプリコットの毛色をしたトイプードルは、
あくまでも毛色重視のブリーディングがされています。

ドッグショーの厳しい基準の中で研ぎ澄まされてきたホワイトやブラックに比べると、
能力的に劣ってしまうのはある意味仕方がないことなのかもしれません。

結論として、その犬種の特性として優秀な犬が欲しいと思ったら、
ショーブリーダーから子犬を迎えると満足できる
でしょう。

しかし、見た目を重視したい場合はその限りではない、ということです。